脳卒中

脳卒中予防の予防は生活習慣病の管理と不整脈の管理、この2点に尽きるといって過言ではありません。当院では脳卒中予防を念頭に置いた生活習慣病の管理を行っていきます。以前脳梗塞を患った、あるいはMRIなどで指摘され、それ以来血をサラサラにする薬を飲んでいるから大丈夫とおっしゃられる方がおられます。しかし、残念ながら血をサラサラにするお薬は特効薬ではありません。飲んでたら脳梗塞を起こさないなんてことはありません。もちろん脳梗塞の確率は下げます。一般的に3割程度の再発率低下の効果があるといわれています。一方で脳出血の確率は上げてしまいます。このように薬の飲み方にも工夫が必要になりますし、薬だけでは足りないこともまた確かです。如何に再発率を低下させるかは、薬の飲み方や血圧・血糖の数値以外のところにヒントが隠れていることも多いです。

脳卒中の後遺症と向き合っておられる方もおられると思います。発症後6ヶ月が回復の限界、などもよく言われることです。2010年にボツリヌス毒素の注射(ボトックス注射)が脳卒中などの後遺症による手足の痙縮(固くこわばってくること)の治療として認められました。この治療によって、発症から10年以上経過している方でもまだまだ回復の余地があることが分かってきています。痙縮の少ないタイプの後遺症や、完全に固まってしまった状態(拘縮)が強い方には効果は限定的でとなりますが、後遺症に悩まされている方はぜひ一度ご相談ください。